※弊社記事はたぶんにPRが含まれますので
話半分で受け取ってください。

とある博物館の売店の営業は無事に終了しました。現在はカプセルトイを中心に設置してます。

口腔外科で横になって埋まっている親知らず(水平埋伏智歯)を抜歯した話

親知らずの抜歯
親知らずが気になって近所の歯医者さんに行ったのが3月。あれから約半年。4本すべての親知らずを抜き終わったのでここに記す。
親知らずが虫歯になっているような気もするし、そもそもあまり良くない生え方をしているんだよなぁ、ということで近所の歯医者さんに行き、左上の親知らずを抜いてもらったのが3月。 そして、残り3本の水平埋伏智歯(横になって歯茎に埋まってる親知らず)は口腔外科でないと難しいとのことで、歯医者さんで受けとった紹介状を携えて総合病院の口腔外科の門を叩いたのが4月。 この約半年に及ぶ長い戦いについに終止符が打たれました! ここでは水平埋伏智歯と共に不安を抱えて生きている多くの同胞のために、親知らず抜歯戦の記録を残したいと思います。

初めての口腔外科

とりあえず紹介状を持って口腔外科のある総合病院へ。<br/ > 初回はレントゲンを撮って大まかな抜歯計画を立て、抜歯にあたっての注意事項(唇にアザが出来ることがある、抜歯によって口と鼻腔とつながることがある、神経に触れて痺れが残ることがある、途中で抜歯を中止することがある等々)に同意させられ、終了しました。費用は画像診断があったので2,460円。初診料は紹介状割引で免除ですぞ。 ちなみに、この次点での私の親知らずの状況は以下の通りでした。
  • 左上: 普通に生えている(近所の歯医者で抜歯済)
  • 左下: 横になっている(歯茎に埋まっている)
  • 右上: 横になっている(ちょっと顔出している)
  • 右下: 横になっている(だいぶ顔を出しているし、この親知らず由来の歯周ポケットも10mmとかいう歯科衛生士のお姉さんが二度見するレベル)
緊張と恐怖のあまり、「誕生日一緒ですね」と言ってくれたレントゲン技師のお姉さんにうまいこと返せなかったことが未だに心残りです。オレの持っている鉄板の誕生日ネタはこんな時にこそ披露されるべきなのに!

水平埋伏智歯 1本目

親知らずの抜歯
歯周ポケットが10mmだったときの記録。最初の検診では10mmでしたが、それから約1ヶ月後の検診では8mmになっていました。まあ、10mmレベルになると1、2mmは測定誤差範囲、か。
初めての口腔外科訪問から約1ヶ月後。ついに一本目の抜歯となりました。抜歯したのは顔を半分くらい出している右下の親知らず。ゴールデンウィークにかかっていたため、かなり後の予約になった模様。

抜歯の流れ

  • 最初に麻酔の注射。歯茎に針を刺すときにぷつっとした痛みを感じる程度。4ヶ所くらい注射されたようだが、痛みを感じるのは最初の1、2ヶ所くらい。手術中の痛みらしい痛みはこれが最初で最後。
  • メスで歯茎を切って歯を露出させた後(見えないがそんな感覚があった)、タービン(あのキーンという高音を出しながら歯を削るヤツ)で歯を頭と根に分割。すべての手順の中でこれが一番時間がかかった。
  • その後メリメリっという小さな音が2回くらい頭に響く。(たぶん、根を取り出すときの音?)
  • 歯の下の方に膿が溜まっていたらしく、麻酔を追加して鉗子を使って取り除いた(っぽい)。
  • 切開した歯茎を縫合した後、止血のためのガーゼをかまされ、終了。全部で15分ほど。1時間くらいかかると思っていたので、あっという間であっけにとられた。

抜歯後の経過

親知らずの抜歯
抜歯した右下の親知らず。頭と根に分割されています。
抜歯後は麻酔が切れてもあまり痛みはありませんでした。あえて言えば、ずーんとした鈍い痛みと歯茎を傷つけたヒリヒリした痛みの2種類が混じってる感じ。 抜歯前の説明で「下の親知らずの抜歯はぁ……腫れまぁ〜す」と宣言された割には全くと言って良いほど腫れませんでした。 そんなこんなで、結局、痛み止めは3錠しか使いませんでした。それも念のため飲んだというレベルで、なければないでやり過ごせた感じ。

筋肉痛?

3日目になって、右下あごに筋肉痛のような痛みが生じました。抜糸の時に先生に聞いた話によると、下あごに大きな筋肉があるため、たまにそうなる人がいるとのこと。抜糸の頃までにはほとんど痛みはなくなっていました。

膿が出る

4日目から6日目にかけて、膿と思われる臭いと苦みのある黄色みがかった液体が抜歯したあたりから出てきていました。量的には数時間に一回吐き出したくなる程度。自分はあんまり気にしないようにして出るに任せていたのですが、気になるなら吐き出しちゃっていいのかも。

縫われている部分の痛み

5日目あたりから、頬の内側に口内炎があるような痛みと違和感を感じ始めました。今回は歯茎と一緒に頬の内側も縫われており、それが痛みと違和感の原因でした。歯茎まわりがあらかた治ってくると縫われているところが気になってくるようです。抜糸までの間はこの違和感と戦うことになります。抜糸後はおどろくほど快適になります。回復レベルが一気に遷移します。

食事

親知らずの抜歯
抜歯当日はゼリー飲料(ウィダーインゼリーもどきのやつ)とうどん。 腫れがなかったので、2日目からはわりと普通のごはんが食べられました。とはいえ、抜糸までの期間は口が開けづらかったりして、完全に普段通りという感じではありませんでした。

抜糸

抜歯から1週間後に抜糸。抜糸はほとんど痛みがありませんでした。あっても麻酔の注射を刺すときのようなぴりっとしたごく小さな痛みです。ただ、頬を縫われている場合は、その場所の糸を抜くときだけちょい痛いかも。思わず心の中で「ぁぁぁあぁああ」とうめいちゃう感じ(もしかしたらちょっと声も出ちゃってたかもしれない)。

費用

1本目の抜歯にかかった費用は薬代も含めて合計で5,180円でした。歯の根の膿を除去した分、ちょい追加料金かかった感じです。

水平埋伏智歯 2本目

2本目の抜歯は1本目の抜糸から2週間後。2本目は右上のちょい見えてる親知らずです。

抜歯の流れ

  • 当初は歯茎を切開した後、親知らずを引き上げて抜歯するプランだったのですが、歯の一部が前の歯に引っかかって引き抜けない、という事態が発生。(歯が大きいというのは言われてたからそういう状況になるような気はしてた)
  • ノミで歯を砕いても抜けず(「ホントにノミって使うんだ……」と思った)、アゴの骨を削っても抜けず、最終的に先回と同様、歯をタービンで分割して取り出した。
  • 親知らずの抜歯で口と鼻腔がつながる事案が発生。まさか自分がそれになるとは。基本的には放っておいて自然に塞がるのを待つしかないらしい。
  • 縫合した後、止血のためのガーゼをかまされ、終了。今回は45分かかった。手こずった事もあってか、化膿止めの薬を5日分、交換用のガーゼも2袋(1袋3つ入り)くれた。

抜歯後の経過

親知らずの抜歯
右上の親知らず。ノミで砕かれたりしているので一部欠けた状態になっています。
アゴの骨を削られたのでパンパンに腫れることを覚悟していたのですが、全く腫れませんでした。そんなわけで、使用した痛み止めは抜歯直後と念のため寝る前に服用した2錠のみ。 それよりも、散々引っ張られたりした右の唇のキワがパンパンに腫れてつらかった……口角も切れてるし、正直、抜歯したところよりもこっちのほうが重傷。

口角炎の治療

口角が切れると、口を開けたときにかさぶたが切れ、それがまたかさぶたになり……というデススパイラルに陥りがち。 そこで、患部にあらかじめヴァセリンを塗布してかさぶたの生成を抑制することでデススパイラルから抜け出す作戦だ。ヴァセリンは毎日洗い流して塗布し直します。これで1週間後の抜糸の時には完治してました。

鼻腔に風穴が空いた

抜歯当日の夕方になって、ふとした拍子に口と鼻腔が穴でつながっていることを体感することになりました。抜歯直前は全然わからなかったのですが、腫れが引いてきたり、落ち着いたりしたことで分かるようになった模様。常につながっているというわけではなく、どうも穴が開く角度のようなものがあるようで、ふとした加減でスカスカします。 現在、左上の抜歯から2ヶ月以上経っていますが、未だに穴が開きそうな予感があり、特にくしゃみをするのがこわいです。

今回も膿が出た

先回同様、3日目から膿のようなものが出始めました。治る過程で膿が生じるものなのかも?

謎の発熱

5日目から7日目にかけて、なぜか発熱。先生の話だと抜歯が原因で熱が出る事はあまりないらしく、原因不明。複合することはあるとのことだったので、どっかでなんかもらったのかも?

経過観察

今回は鼻腔に穴が開いたため、経過観察ということで抜糸から2週間後に再度受診することになりました。最後の抜歯はひとまずおあずけ。その間も膿が出続けていたのですが、処方された抗生物質を飲み始めたら、3、4日くらいで止まりました。薬すげぇ。

食事

抜歯当日はウィダーとうどん。あと、パンも食べられました。パンは小さくちぎればいけます。今回は抜歯したところよりも口角の腫れの方が気になったため、3日目の昼まで麺類でやり過ごしました。それ以降は普通のご飯を食べています。

費用

2本目の抜歯にかかった費用は薬代も含めて合計で5,880円でした。抗生剤を追加してるので、その分、1本目よりも多めになっております。

水平埋伏智歯 3本目

親知らずの抜歯
抜歯後に渡される注意書きと止血用のガーゼ。割とすぐ血が止まっちゃうので、もらったガーゼはすべて未開封で溜まる一方。6袋くらいあります。
3本目の抜歯は2本目の抜糸から約1ヶ月後。3本目は左下の完全に埋まっている親知らずです。夏休み時期とかぶったため、予約が混み合っていたようです。

抜歯の流れ

  • 今回もタービンで分割しての抜歯。
  • 序盤で骨の中を通っていた血管から出血したらしく、なんかいろいろ詰められたりした。また出血したらやめる的なことを言っていたため、すげー不安になったが、その後は出血しなかったっぽい。
  • 結局、歯は4分割以上に細かく分割されていた。そして、歯をもらい損ねた。歯が欲しいときははっきり「歯を持って帰りたいのですが」と言おう。
  • 縫合して、ガーゼを噛まされて終了。今回は根がなかなか抜けず約50分かかった。交換用のガーゼを4袋ももらった。回を重ねる毎に増えている……

抜歯後の経過

今回も結構伸縮させられて口角が腫れました。ただ、先回と違って切れてはいなかったので3日ほどで治りました。ヴァセリンも必要ありませんでした。

最後の最後で腫れた

その代わりというかなんというか、今回は抜歯したところがその日のうちからばっちり腫れました。
親知らずの抜歯
左から順に抜歯24時間後、48時間後、72時間後、96時間後、120時間後、144時間後。48時間後が腫れのピークで、その後緩やかに腫れが引いています。現在、抜歯から約2週間経過していますが、まだ梅干しの種サイズの腫れが残っています。
腫れて何がつらいって、口があんまり開かなくてご飯が食べにくいことが一番つらかったです。あと、横になって寝るときに腫れてる側の頬を下に出来ないのが地味につらい。

痛み止め余りました

パンパンに腫れはしましたが、痛みはほとんどありませんでした。そんなわけで、ガーゼ同様、痛み止めの薬も溜まる一方だったり。最後だし痛み止めを余らせても仕方ないよなぁ、と思って寝る前などに飲んだりしてはみましたが、結局、トータルで10錠くらい余ってしまいました。これ、誰かに高く売れますか(アカン!)

縫われている部分の痛み、再び

術後48時間をピークに腫れは緩やかに引いてきたのですが、頬を縫われていたため、5日目あたりから頬の違和感が気になりだしました。これは抜歯後の開放感を味わうための儀式だと思ってなんとかやり過ごしました。

謎の発熱、再び

今回も抜歯2日目あたりから謎の発熱がありました。どうも夜になると熱が出て来る模様。よくわかりませんが、自分でも気が付かないうちに疲れがたまってるとか、なんだかんだでうまく熱を放出できてないとか、そういう感じかなと思って、「熱が出てきたな」と感じたらとっとと寝るようにしたら、いつの間にか収まっていました。結局、原因はよく分かりません。

膿は出ず

これまでの2本とは違い、3日目を過ぎても膿はほとんど出ませんでした。抜糸の時に先生が言っていたのですが、傷口の治りが早いと腫れが大きくなることがあるらしいです。傷口の治りが早い人柱力体質がアダとなったカタチ。

食事

抜糸までの1週間の主食はそうめんでした。タンパク質を取るためにチーズも口にしましたが、基本、そうめんです。最初のうちは腫れて口が開かず、後半は頬の違和感から口が開かず、そうめんやゼリーなどのあまり口を開けずに摂取することが出来る、かつ、あまり咀嚼を必要としない食べ物くらいしか食べる気になりませんでした。あと、今回に限りませんが、水分は意識的に取るようにしていました。 そうめんマジ神ですが、さすがに毎日毎食そうめんを食べてると発狂すると思うので、いろいろな味のつけ汁を試してみることをオススメします。そうめんはそうめんですが、多少の慰めになります。そして、抜糸までの1週間で体重も約2kg落ちました。てか、普段食べすぎなのかもしれない。

ミツカン まぜつゆ 冷やしすだちうどん 116g×6個

  • メーカー:ミツカン
  • カテゴリ:食品&飲料
  • 発売日:2022/02/18

費用

3本目の抜歯にかかった費用は薬代も含めて合計で6,120円でした。止血剤分とかかりつけの歯医者さんへのお手紙代で6千円台になりました。

親知らずの抜歯は一期一会

親知らずの抜歯
自分の歯はご覧の通りの弾丸ボディの一本歯だったのですが、これで根が4本とかに分かれてたらまた難易度上がってたんじゃないかなぁと思ったりします。
ついにすべての親知らずを抜き終えたわけですが、親知らずの抜歯はどれひとつとして同じものがありませんでした。今回の抜歯が楽だったからと言って、次の親知らずも楽であるという保証は全くないし、その逆もまたしかり。 とりあえず、ちょっと親知らずが気になっちゃってる感じの人はとっとと歯医者さんに行って相談することをオススメします。その結果、抜歯をオススメされたら、ムダな抵抗はやめて抜歯しましょう。

時間と予算と体力があるうちに

抜歯には時間と予算、そしてなにより、体力が必要です。抜歯自体はほとんど痛みを感じることなく終わります。しかし、抜歯してから抜糸までの期間が(程度の差こそあれ)予想以上に体力と精神の消耗戦になります。治りは若い方が早いハズ。年を取ると歯と顎の骨が固まって抜きにくくなるという話も目にしました(真偽不明)。

抜歯にかかった費用

ちなみに、親知らず4本の抜歯にかかった費用は全部で31,190円(歯医者さんでの虫歯治療代等も含む)でした。抜歯費用だけで見ると、普通に生えている親知らずで3,000円くらい、水平埋伏智歯で6,000円くらいといったところでしょうか。 医療費3割負担なので実際には10万近くかかっていることを考えると、こういうときばかりは社会保険制度に感謝せざるを得ない。

学生の長期休みの時期は外しましょう

可能であれば、春・夏・冬休みの時期、および、ゴールデンウィークやシルバーウィークのような大型連休の前後は外すのがオススメ。この辺にかぶると目に見えてティーンズの姿が増え、次の予約が1ヶ月以上先になったりします。

親知らず体験談はだいたいハード

親知らずの話になると、「2週間枕を血で濡らし続けた」とか、「パンパンに腫れて1ヶ月間ストローでしか食事できなかった」とか、「近所の歯医者で抜歯したらうまく抜けなくて、結局、県庁所在地にある大学病院まで行かされて数時間に及ぶ手術でやっと抜いたけど、なんか未だに痺れが残ってる」とか、そういうハードすぎる体験談ばかり出てきて、恐怖が一周してうんざりさせられることが多いです(実際、これらの体験談は全部、実際に自分が人から聞かされた話です)。 でも、そういう話はだいたいヒドイほどオモシロイので、ヒドイ話が中心になるものです。自分だって親知らずの話になったら、パンパンに腫れたことや鼻腔に穴が開いたことを持ち出すと思います。てか、よくよく考えてみたら、わりと事前に説明された注意事項にヒットしたり(口角の腫れ、鼻腔に風穴)、かすめたり(出血による抜歯中止の可能性が浮上)してるぞ……? まあ、そんなもんなので、人のするハードな体験談を真に受けていたずらにビビったりする必要はありません。ハードな体験をした人間と同じくらい(もしくはそれ以上に)、ワタシのような、大して腫れもせず、痛み止めも余らせた人間も存在しているハズです。ただそういう人間は「親知らず? 心配したほどじゃなかったよ」で会話が終了するため、印象に残らないだけです。 それでは、これから親知らずの抜歯に挑むあなたのご健闘と、笑ってハードな体験談を語れる日が来ることをお祈り申し上げます。

いころ放談 No.1

  • メーカー:icoro
  • カテゴリ:Kindle版
  • 発売日:2015/07/08

関連する記事