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とある博物館の売店の営業は無事に終了しました。現在はカプセルトイを中心に設置してます。

日食の観察・撮影用にカメラのフィルターと日食グラスを自作してみた

 2012年5月21日の日食は、しれっと群馬県に遠征し金環日食を見てきちゃった僕ら。だがその前にちまちまとデジカメのレンズフィルターと日食グラスを自作していたことを知る人は少ない。

 次の日食まで需要はなさそうですが(金星の太陽面通過はこれで見るよ!)、作り方等々をここに書き残しておこうと思います。これでお手持ちのデジカメや双眼鏡が太陽観測に対応!そして日食グラス長者になれる!

日食メガネ作り
フィルターもメガネも作り放題。

 金環日食を前に「よーしパパ日食撮影用にレンズフィルター買っちゃうぞー」と意気込んでいたのですが、日食撮影フィルターを調べてみると数千円-1万円ほどとけっこうお高いことが判明。。
 せっかくの機会だから欲しい・・・でもこの後そんなに使わない気がする(←これが一番のネック)、うぅむ・・・と悩んでいたところ、切って使える太陽観測フィルターなるものがあることを知り。これを買えばレンズフィルターと日食グラスの両方を作れちゃう!というわけで早速ポチってみたわけであります。

日食メガネ作り

 Baader社製太陽フィルター「アストロソーラー眼視用」(20x29cm版)。ほぼA4サイズのフィルター(シート)が1枚入ってお値段は2,800円。

日食メガネ作り
双眼鏡等もこれで対応できます。

 薄い銀色のシートが太陽フィルター。厚さは0.012mm、可視光の強さを10万分の1以下に抑えてくれるらしいです。あまりの薄さ、そしてその反射っぷりにちょっと驚いた。

 これ1枚で2,800円と聞くと高そうに感じますが、これでレンズフィルターと日食グラスが作れるなら安いです。レビューを見ていたらこの1枚で日食グラスを25個作ったという人もいました。(なにかもう新しい商売ができそうな気がする。)

 それでは、レンズフィルターと日食グラスを作っていきたいと思いまーす!

カメラ用レンズフィルターの作り方

 まずはレンズフィルターの作り方から。レンズにシートを覆い被せて輪ゴムで止めたり、すっぽりかぶせるタイプのフィルター(的なモノ)を厚紙で作っている人もいましたが、今回は移動もあるので、なにかこうもっとスマートなものにしたい。
 そこでレンズ保護用フィルターにシートを貼り付ける方法を採ることにしました。制作に手間はかかりますが、見た目は非常にきれいなはず。

用意するもの

  • 太陽フィルター(シート)
  • レンズ保護用フィルター
  • ハサミ(よく切れるものが良い)
  • ペン、鉛筆等
  • 接着剤
  • 爪楊枝
日食メガネ作り

 まずはレンズフィルター(レンズ保護用のもの。1,000-2,000円ほどで購入可能)を用意します。今回は中古で600円のものを発見したので迷わずそちらを購入。

日食メガネ作り

 シートの上にフィルターをのせ、ペンで外径をなぞっていきます。インクがのらないかもしれませんが、跡が付いていればOKです。

日食メガネ作り

 線の少し内側を切り、微調整しながらフィルターにぴったりとなるサイズにカットしていきます。シートがすごく薄いため、あまり切れないハサミだと作業がしにくいです。よく切れるハサミを用意しましょう。

日食メガネ作り

 ちょうど良い大きさにカットできました!次は接着です。

日食メガネ作り
日食メガネ作り
一度紙の上に出すとよいです。

 爪楊枝を使い、できるだけ端の方に接着剤を置いていきます。

日食メガネ作り

 (ちょっとしわっぽくなっちゃいましたが)完成!シワが入っても観測には問題ないとのこと。実際、問題なくきれいに撮影できましたよ!

日食メガネ作り

 望遠レンズに装着!バッチリです!

日食グラスの作り方

用意するもの

  • 太陽フィルター(シート)
  • 厚紙(空き箱など硬い素材のものがおすすめ)
  • ハサミ
  • カッター
  • カッターマット(あれば)
  • セロハンテープ

 続いて日食グラスです。まずは厚紙を用意。菓子折の箱(化粧箱)を利用しました。

日食メガネ作り

 今回は上記のようなサイズで製作してみました。メガネ本体のサイズは縦6cm、横15cm。覗く部分は縦2cm、横4cm、目の間の距離は3cm。普通のメガネから位置を割り出しました。実際に使ってみましたがこれでピッタリな位置でした。

日食メガネ作り

 目の部分をカッターで切り抜きます。シートは穴よりも少し大きめにし、縦3cm、横5cmくらいの大きさでカット。

日食メガネ作り

 シートをセロハンテープで貼れば完成!

日食メガネ作り

 こんな感じで大量生産も可能!覗く部分は縦2cm、横4cm取ってありますが、まだまだ小さくすることもできそうです。1枚のシートからたくさん作りたい場合はギリギリの小ささまで攻めてみて下さい。

 ちなみに厚紙は「流れ梅」でお馴染み、「大阪屋」の菓子折の箱のフタです。フタに印刷された青っぽい模様は小千谷縮の柄。そこはかとなく高級感と渋さの漂う日食グラスとなりました。

日食グラス番外編 うちわ型

 菓子折の箱のフタで家族分の日食グラスも制作完了!これでオッケー☆と思っていたのですが、なんか使えそうなものを発見。よし、これで作ってみよう。

日食メガネ作り
同じように縦2cm、横4cm、目の間は3cmで切り抜いてシートを貼ります。
日食メガネ作り

 会期が終わったので処分しようと思っていた「新潟県立歴史博物館」の平成23年夏季企画展の紙製うちわ。それほど厚い紙ではないのですが、しっかりした材質、そして簡単に切れるのでチャチャっと穴をあけ、ぺぺっとシートを貼り付け。これで完成!

県立ぐんま天文台
快適すぎる。

 簡単に、しかもけっこうテキトーに作ったのに、これがものすごーく快適でして。当日は2人でうちわ型日食グラスを取り合ってました。

 もし、お手元に厚紙製のうちわがあれば是非作ってみて欲しいこの一品。いっそ厚紙をうちわ型に切り抜いて作るのも良いのではないかと。顔に当たる日差しを避けることもできて一石二鳥。ものすごく良かったですよ!

そんな感じの自作グッズで挑んだ日食

県立ぐんま天文台
ぐんま天文台で撮影。

 自作のレンズフィルターで挑んだ金環日食。当日は部分日食の状態から、

県立ぐんま天文台
よーくみるとちゃんと金環。

 金環日食まできれいに撮影することができました!

県立ぐんま天文台

 フィルターをつけるとシャッタースピードやらなんやらが適切でなくなるため、マニュアルモードじゃないとピントが合わないです。いつもオートで撮っているという人もこの時ばかりは頑張って設定をいじりましょう。

県立ぐんま天文台
これで君も日食グラス長者。

 自作のためちょっと心配でしたが、レンズフィルター、日食グラスともに完璧でした!このシートなら双眼鏡や望遠鏡にも応用できるので、太陽の観測の際には是非どうぞ。
 あと、直前になると日食グラスが売り切れとなる所が続出します。でもシートは残っている可能性が高いので、諦めずに探してみると良いかもしれないです。

 シートを買ったらいろんな機材を太陽観測対応にするも良し、日食グラスをたくさん作ってご近所に配るも良し。ちなみに大量生産したうちの1枚は、ぐんま天文台にて1つのグラスを使い回していたカップルの元へ旅立っていきました。みんなの距離感が近くなる、それが天文イベント。
 それではみなさん、良い日食をお迎え下さい!

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