『軽さのなかにも香りが仁王』
とは1993年にリリースされた電気グルーヴのリミックス・アルバム「FLASH PAPA MENTHOL」の帯に書いてあった言葉。 このアルバムは私の人生に多大な影響を与えたどころか、私そのものでして、どのあたりが私そのものかというと、オリジナルのアルバムを持ってないにも関わらず、先にリミックスを買うあたりなのです。
このオリジナルを持っていないにも関わらず、先にリミックスに手を出してしまうあたり、私の胡散臭さというか、にわか臭さを非常に醸し出しているのですが、そういえばTVアニメのエヴァンゲリオンが大ブームなったときも、本編の放送を観たこと無いのに、なぜか劇場版を観に映画館に脚を運んだりしたことがありました。 おまけに、それは二作目の「Air/まごころを、君に」だったりして、ストーリー以前に、私自身がさっぱりわかりませんよ。
ギャンブル漫画のカイジが面白いと聞きつけたときも、本など読まずにとりあえずパチンコ屋に行きました。スーパーリーチ予告を見て、「おぉ~これが噂のざわ・・・ざわ・・・かー」と、心拍数をあげていたのですが、あがって行く心拍数とは裏腹にドル箱タワーはまったく積みあがりませんでした。
まったく…どうしてあんなに出ないんだ。
最近では、藤原竜也さん主演の実写劇場版などもたいそう話題になりましたが、あの逆三角形の顔が、興行成績のためにはあんなに色男になるのかと、ひどく憤慨したものです。
昔はこんな自分にノイローゼな時期もあったのですが、あるときふと「自分は自然とこういうことをやってしまう体質なのだ」と、体質なんだからしょうがない理論を振りかざして悟りを開いたとたん、目の前のもやがモーゼの十戒のごとく開け、天からお釈迦様の声が聞こえてきましたよ。西と東の聖者が、見事に俺の頭の中でコラボレーション。
にわかも突き通せば正道
今日はそんなテーマで語ってしまうのはいかがでしょうか。 (読み手に委ねています)
にい”がた”の”ぶつ”ぞう、「ガタブツ」を見に行こう。
前回の記事でそんなことを言っていましたが、新潟の仏像を見に行くときは京都や奈良のお寺へ行くのとはちょっと勝手が違うのですね。
それは、あまりオープンではないこと。
京都や奈良のお寺は、仏教的施設でありつつも観光名所としての地位もきちんと築かれているので、万人に向けてわかりやすくシステムが整備されているのです。
その最たるものが、拝観料システム。
何時から何時までの間はお寺をオープンにしていますので、拝観料を払っていただければ仏様にお参りしていただいて結構ですよ。ってやつ。
三十三間堂や広隆寺など、思いついたお寺の名前をインターネットで検索してみてください。そのお寺へお参りすることができる時間や拝観料を含め、各種情報がわかりやすくまとめられています。なんなら、英語でも読めちゃいます。
ところが、新潟のお寺はそうもいきません。宝物殿などがよっぽど整備されたお寺や、有名な戦国武将にゆかりのあるお寺以外は、そのお寺にお参りするための情報などは、謎のベールに包まれているのですね。
そのベールの脱がし方については、また後日。
さてここでは、これから新潟の仏像を見始めようとするかたに、この謎のベールとは関係なしにガタブツを楽しむための方法を伝授しようと思います。
軽さのなかにも香りが仁王
仁王さんってわかりますか?
金剛力士(こんごうりきし)は、仏教の護法善神(守護神)である天部の一つ。サンスクリットではVajradhara(ヴァジュラダラ)という。開口の阿形(あぎょう)像と、口を結んだ吽形(うんぎょう)像の2体を一対として、寺院の表門などに安置することが多い。一般には仁王(におう、二王)の名で親しまれている。金剛力士 – Wikipedia
原語は「金剛杵(こんごうしょ、仏敵を退散させる武器)を持つもの」の意。日本では寺院の入口の門の左右に仁王像が立っているのをしばしば見かける。像容は上半身裸形で、筋骨隆々とし、阿形像は怒りの表情を顕わにし、吽形像は怒りを内に秘めた表情に表すものが多い。こうした造形は、寺院内に仏敵が入り込むことを防ぐ守護神としての性格を表している。
んなことはひとまず置いときましょう。細かいことは徐々にわかればいいと思います。
簡単にいうと、お寺の入り口付近に建てられている門の中で、睨みをきかせているあの強そうな人ですね。セリフで表すならば「はうあァァァ」と「ぐぬぬゥゥゥ」の人。
私は、人が新しい世界に入っていこうとする その入口に立つとき に、これからその人がその世界を楽しめるかどうかがかかっている、重要なポイントが3つあると思っています。
- とっつきやすさ(手軽にその世界に入っていけること大事)
- 面白さ(面白さは興味の源泉)
- そして、底の深さ(量をこなすことで新しい発見ができて、楽しみ増えること)
仁王さんは、まさにその3つをクリアしているのですね。
自分のペースで見れるし、なにより派手。そして以外と奥が深い。
仁王を見るのに小難しいルールは要りません。めぼしいお寺に行けば、だいたいお寺への入り口の門あたりに、デーンと構えています。
別に許可もいらない。すぐ見れる。写真撮れ。
阿形と吽形。この2体の仏像というシンプルな構成でありつつも、これだけでもいろいろな表現がありますし、仁王にまつわるいろいろな伝説もあります。全身参拝者に貼られた紙だらけの仁王さんや、稲刈りを手伝ったという仁王さん。言い伝えなどが残っている仁王さんの近くには、たいてい説明看板が立てられていますので、それを読むだけでも自分の知らない新潟を発見できます。
新潟には直接は関係ないけど、以下の写真は『せんとくん』の作者 籔内佐斗司さんの彫刻『男の鎧-吽/男の鎧-阿』
口というか、顔そのものがないのに、見事に阿吽の呼吸をあらわしている。
すごくね?これ。
なにを隠そう、私もこの仁王めぐりからスタートしました。だって、新潟のお寺をまわるったって、どうしたらいいかわからなかったんですもの。
仏像が気になりだしたあなたがはじめにやるといいこと
まずは、仁王を見に行って見ましょう。
新潟のお寺巡りを始めてすぐのころ、真福寺の木喰仁王をみたときのことは今でも覚えています。
この人、相撲取りじゃん…
次回はそんな新潟の仁王さんをいくつか紹介していこうと思います。
劇場版 NEON GENESIS EVANGELION – DEATH (TRUE) 2 : Air / まごころを君に [DVD]
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